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tomoemon committed Dec 10, 2020
1 parent 55b06fc commit 3405e83
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6 changes: 3 additions & 3 deletions src/eigh8_t.tex
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\articlepart{タイピングとキーボード}{eigh8\_t}
\articlepart{タイピングとキーボード}{eigh}

\section{はじめに}
タイパーにとってキーボードと言ったらどんな存在でしょうか。キーボードはタイピングにおいて必要不可欠な道具であり、タイピングに大きな影響を与えています。しかし、キーボードとタイパーの関係というのは人によって様々だと思います。「キーボードを変えて新記録を出しても実力が伸びたわけじゃないからキーボードを替えたくない」という人や「記録が伸びるならキーボードを替える」という人、「いろんなキーボードの打鍵感を楽しみたい」などいろいろな人がいると思います。 今回はキーボードがタイピングの速さにどのように関わっているかを簡単な実験や主観を交えながら考えていきたいと思います。
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キーボードの打鍵感について、「クリック感」と「底打ち感」という言葉がよく使われます。クリック感というのは山から谷へかけての部分で、この差が大きい物がクリック感が強いとかはっきりしていると言われます。また、底打ち感を感じるのは壁の部分で、グラフの傾きが大きい(急激に変化している)ものほど底打ち感がはっきりしていると言われます。この「クリック感」「底打ち感」両方に言えることは、傾きが大きいほどはっきり感じるということです。この傾きが一種の入力となっているといっていいでしょう。今回はこれら2つを「クリック」「底打ち」と呼び、キーボードからの「入力」として扱うことにします。

\section{「速い」キーボードの特徴}
「クリック」や「底打ち」という入力に要する時間や感触の強さはキーボードによって、大きく異なります。実際に速く打てると言われているキーボードの特徴を考え、入力がどのようにタイピングの速さに影響しているか見てみましょう。 
「クリック」や「底打ち」という入力に要する時間や感触の強さはキーボードによって、大きく異なります。実際に速く打てると言われているキーボードの特徴を考え、入力がどのようにタイピングの速さに影響しているか見てみましょう。
速く打てるキーボードと言っても人によって相性があったり慣れの問題もあるため一概には言えませんが、タイパーによく使われているキーボードとしては東プレのリアルフォース(リアフォ)とパンタグラフ式のキーボード(パンタ)が挙げられます。この2つのキーボードはどちらも反発が軽い、ストロークが浅いという特徴を持っています。これらの特徴についてキーボードからの入力の時間、強さという観点から考えてみます。

\subsection{入力に要する時間}
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\end{figure*}

\subsection{軽いと指だけで打てる?}
キーの軽さというのは重要な要素ですが打ち方に対してどのような影響があるでしょうか。個人的には指だけで打てるというのがあります。重いキーボードではどうしても手の力も使ってしまうために同じ手が連続するような場面ではどうしても手の動きにより指の動きが制限されやすくなります。一方、指の力のみで押せるような軽いキーボードでは片手に集中するような場面でもて全体の動きに制限されにくく、このような場面でも速く打てるのではないでしょうか。
キーの軽さというのは重要な要素ですが打ち方に対してどのような影響があるでしょうか。個人的には指だけで打てるというのがあります。重いキーボードではどうしても手の力も使ってしまうために同じ手が連続するような場面ではどうしても手の動きにより指の動きが制限されやすくなります。一方、指の力のみで押せるような軽いキーボードでは片手に集中するような場面でも手全体の動きに制限されにくく、このような場面でも速く打てるのではないでしょうか。

\subsection{まとめ}
キーボードによる打ち方の違いは、特定のキーボードだと特定の打ち方ができる、というよりは、ある条件下では特定の打ち方ができないと言ったものになっています。キーボードによって打ち方に制限が生まれ、速さや成長に影響しているかもしれません。
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\setlength{\oddsidemargin}{25mm} %奇数ページ(見開き右)

\addtolength{\oddsidemargin}{-1in}
%\addtolength{\oddsidemargin}{-0.26in}
\addtolength{\oddsidemargin}{-0.26in} % A4からB5に縮小する際に見開き右の余白がずれるのでその分を強引に修正

\setlength{\evensidemargin}{15mm} %偶数ページ(見開き左)
\addtolength{\evensidemargin}{-1in}
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\makeatletter
\renewcommand{\thetable}{%
\arabic{part}-\arabic{table}}
\@addtoreset{table}{part}
\@addtoreset{table}{part}
\makeatother

% sectionを章とする
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\vspace{2mm}

\begin{tabular}{rl}
\textsf{サークル}& ガチタイピング勢 \\
\textsf{サークル}& タイピングガチ勢 \\
\textsf{初版第1刷}& 2011/12/31 (C81) \\
\textsf{初版第2刷}& 2012/03/20 \\
\textsf{印刷}& しまや出版 \\
\end{tabular}

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4 changes: 2 additions & 2 deletions src/hajimeni.tex
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\noindent 対象読者:「キーボード配列を設計してみたいと考えている」\\
キーボード配列設計に関する理論的な分析です。今回は設計までは至りませんが重要な考え方が満載です。

\section*{タイピングとキーボード \small{by eigh8\_t}}
\section*{タイピングとキーボード \small{by eigh}}
\noindent 対象読者:「キーボード選びに迷っている」\\
タイピングといえば欠かせないのがキーボード。タイピングにどのような影響を与えているのでしょうか。

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本書の執筆にあたってできる限りの確認をしていますが、誤字・脱字や誤解・混乱を招くような表現、内容が含まれている可能性があります。ささいなことでも構わないので気づいたことは執筆陣へご連絡いただけると幸いです。連絡は、本書の最後に載せている、執筆陣のtwitterやブログへお願いします。

\part*{謝辞}
本書の執筆にあたり、多忙なる中、快くインタビューにご協力してくださった、Pocariさん、dqmaniacさん、たにごんさん、むなしいさん、俺さん、Quvotaさん、父・信仁さん、あきうめさん、モルタルコさん、GANGASさん、えむさん、そして勃起教教祖さんに心より感謝いたします。特に、インタビューのセッティングからレビューの取りまとめに至るまで、窓口となって全面的にご協力頂いた Pocari さんには、格別の感謝の意を表します。執筆陣だけでは語ることのできない非常に密度の高い内容を盛り込むことができました。また、執筆陣の要望を聞いて表紙のイラストを描いてくださったcreamさん、サークル名を決める際にすかさず名前を挙げてくださったグミさんに感謝します。その他、執筆陣へのご助力や宣伝にご協力してくださったみなさん、ありがとうございます。最後に、これまでタイピングに取り組んで様々な経験と知識を残してくださったタイピング界に関わるすべてのみなさんのおかげで本書は完成しました。本当にありがとうございます。
本書の執筆にあたり、多忙なる中、快くインタビューにご協力してくださった、Pocariさん、dqmaniacさん、たにごんさん、むなしいさん、俺さん、Quvotaさん、父・信仁さん、あきうめさん、モルタルコさん、GANGASさん、えむさん、そして勃起教教祖さんに心より感謝いたします。特に、インタビューのセッティングからレビューの取りまとめに至るまで、窓口となって全面的にご協力頂いた Pocari さんには、格別の感謝の意を表します。執筆陣だけでは語ることのできない非常に密度の高い内容を盛り込むことができました。また、執筆陣の要望を聞いて表紙のイラストを描いてくださったcreamさん、サークル名を決める際にすかさず名前を挙げてくださったgummiさんに感謝します。その他、執筆陣へのご助力や宣伝にご協力してくださったみなさん、ありがとうございます。最後に、これまでタイピングに取り組んで様々な経験と知識を残してくださったタイピング界に関わるすべてのみなさんのおかげで本書は完成しました。本当にありがとうございます。

4 changes: 2 additions & 2 deletions src/introduce_authors.tex
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Expand Up @@ -17,7 +17,7 @@ \section*{tomoemon}
\includegraphics[width=3.5cm,clip]{res_author/kouy_temoto.eps}
\end{wrapfigure}
\section*{kouy}
twitter: \verb|@kouy|
twitter: \verb|@y_koutarou|

配列作成者。2004年から新配列を使用し始め、親指シフト(NICOLA)、月配列2-263式、月配列U8版など巡り歩く。「月配列を文字キー同時打鍵で使いたい」という思いから配列作成の道に入り、下駄配列、けいならべ、新下駄配列を作成。ブログ『ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく』http://kouy.exblog.jp/

Expand All @@ -36,7 +36,7 @@ \section*{kouy}
\begin{wrapfigure}[5]{r}{3.5cm}
\includegraphics[width=3.5cm,clip]{res_author/eigh8_t_temoto.eps}
\end{wrapfigure}
\section*{eigh8\_t}
\section*{eigh}
twitter: \verb|@eigh8_t|

配列からキーボード、コタツからバランスボールまで使えるものなら何でも使う環境系(?)タイパー。タイプウェルではお酒の力も借りながら国語RでZタイパーになりました。現在は配列系オールラウンダー目指し修行中。
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18 changes: 9 additions & 9 deletions src/kouy.tex
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練習方法や、どれくらい集中して練習できるか、覚える新配列の難度などによって異なりますが、これまでの新配列を覚えた人の体験談によると2週間~2か月ほどのようです。

新配列を習得するまでは、大きく2つのステップに分かれます。1つ目が「頭のステップ」――配列図を頭の中に入れる――、2つ目が「指のステップ」――ある文字を入力しようと思ったときに指が瞬時にそのキー打てるようになる――、です。「頭のステップ」にかかる期間は配列によって大きく異なります。五十音順に並べたような単純な配列ならすぐにでも覚えられるでしょう。覚える要素が多くなるほど覚えるのが難しくなります。個人個人の記憶力や練習の集中度によっても異なるでしょう。「指のステップ」に関しては、配列の差はそれほどありません。単純な配列であっても指がすぐ動くなるようになるまでにはある程度の練習が必要です。こればかりはとにかく使って慣れるしかないようです。
新配列を習得するまでは、大きく2つのステップに分かれます。1つ目が「頭のステップ」――配列図を頭の中に入れる――、2つ目が「指のステップ」――ある文字を入力しようと思ったときに指が瞬時にそのキーを打てるようになる――、です。「頭のステップ」にかかる期間は配列によって大きく異なります。五十音順に並べたような単純な配列ならすぐにでも覚えられるでしょう。覚える要素が多くなるほど覚えるのが難しくなります。個人個人の記憶力や練習の集中度によっても異なるでしょう。「指のステップ」に関しては、配列の差はそれほどありません。単純な配列であっても指がすぐ動くようになるまでにはある程度の練習が必要です。こればかりはとにかく使って慣れるしかないようです。

最初は指が動かなくて苦労すると思いますが、少し入力速度が上がれば同じ練習時間で今までより多くの練習ができることになます。すると練習効率が良くなり、その結果入力速度が上がって、さらに練習効率が良くなり……と加速度的に入力速度が上がっていきます。こうなれば新配列習得間近と言えるでしょう。
最初は指が動かなくて苦労すると思いますが、少し入力速度が上がれば同じ練習時間で今までより多くの練習ができることになります。すると練習効率が良くなり、その結果入力速度が上がって、さらに練習効率が良くなり……と加速度的に入力速度が上がっていきます。こうなれば新配列習得間近と言えるでしょう。

新配列を覚えるコツを一つ。新配列では良く出現するかなは打ちやすいキーに配置されています。したがって、良く出現するかなを探すときは打ちやすいキー、あまり出現しないかなを探すときは打ちにくいキーを探すと見つかりやすくなります。

どのかなが良く出現するのか――先に掲載した図1-1の通りですが――分からないと思うかもしれません。おおざっぱに言うと、五十音表の最初の方に出てくるかなは良く出てきます(ただし、「ん」は最頻出かなの一つです)。もう少し詳しく書くと、あ行~た行はほぼすべて出現率上位のかなです。な行は「な」「に」と「の」、は行は「は」だけ。このくらいまでが出現率が高いと言えるかなです。例外はありますが、これだけでも新配列を覚える助けにはなると思います。
どのかなが良く出現するのか――先に掲載した図\ref{1gram}の通りですが――分からないと思うかもしれません。おおざっぱに言うと、五十音表の最初の方に出てくるかなは良く出てきます(ただし、「ん」は最頻出かなの一つです)。もう少し詳しく書くと、あ行~た行はほぼすべて出現率上位のかなです。な行は「な」「に」と「の」、は行は「は」だけ。このくらいまでが出現率が高いと言えるかなです。例外はありますが、これだけでも新配列を覚える助けにはなると思います。

\subsection{新配列の練習方法はどうすればよいですか?}

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でもまだ親指シフトをあきらめる必要はありません。現在では普通のキーボードを使って親指シフトをすることができるのです。配列エミュレータを使えば、キーボードの最下段にある\key{無変換}、\key{スペース}、\key{変換}のどれか2キーを親指キーとして、あたかも親指シフトキーボードのように使うことができます。例えば、\key{スペース}を\key{左親指}、\key{変換}を\key{右親指}であるかのように扱って、親指シフトを実装することができるのです。

親指キーにしたキーを元々のキーの機能を使いたい場合はどうすればいいのか?」という疑問がわきますが、エミュレータの方で「文字キーと同時に押した場合はシフトキーとして、文字キーを押さずに離した場合はもともとのキーとして」処理してくれます。例えば、\key{スペース}を\key{左親指}にした場合でも、\key{スペース}を単に押して離した場合は、普通に\key{スペース}を押したものとして扱ってくれます(そのようにしないで親指シフト専用のキーとすることもできます)。
親指キーにしたキーを元々のキーの機能で使いたい場合はどうすればいいのか?」という疑問がわきますが、エミュレータの方で「文字キーと同時に押した場合はシフトキーとして、文字キーを押さずに離した場合はもともとのキーとして」処理してくれます。例えば、\key{スペース}を\key{左親指}にした場合でも、\key{スペース}を単に押して離した場合は、普通に\key{スペース}を押したものとして扱ってくれます(そのようにしないで親指シフト専用のキーとすることもできます)。

どのキーを親指キーにするかは、いくつかの方法があります。《\key{スペース}を\key{左親指}、\key{変換}を\key{右親指}》か《\key{無変換}を\key{左親指}、\key{変換}を\key{右親指}》にするのが一般的です。ポイントとなるのは親指キーの位置です。ホームポジションに指を置いたときに、親指が「親指キー」の上に自然に置けるのが理想です。
文字キーと親指キーを無理なく同時打鍵できるかどうかも重要です。特に、親指キーと同時に押すときに、左手では\key{Z}\key{T}\key{B}、右手では\key{Y}\key{N}\key{,}\key{.}\key{/}が無理なく同時打鍵できるかをチェックしましょう。
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\subsubsection*{月配列を作ったのは誰か?}

中指シフトという入力方式は、花配列という配列で誕生しました。1999年に冨樫雅文氏が考案した配列で、「風」という漢字変換システムで使用することを想定して作られました。中指シフトを初めて採用し、コンピュータを使用した計算により文字の配置を決定した配列です。
中指シフトという入力方式は、花配列という配列で誕生しました。1989年に冨樫雅文氏が考案した配列で、「風」という漢字変換システムで使用することを想定して作られました。中指シフトを初めて採用し、コンピュータを使用した計算により文字の配置を決定した配列です。

ところで、新JIS配列という配列があります。1986年に制定された配列で、従来のJIS配列(普通のかな入力のこと)とは異なり、最上段(数字段)は使わず上中下段の3段にすべての文字が配置されています。高校教科書や天声人語のデータを使用して、左右交互打鍵が多く、同指異鍵が少なくなるように作られました。実際に新JIS配列が搭載されたワープロも発売されましたが、普及は進まず、1999年に「使用実態がないため廃止」されました。

Expand Down Expand Up @@ -490,7 +490,7 @@ \subsection{AZIK}

これまで紹介した新配列は、すべて“日本語での”入力を改善しようとするものでした。一方、英語でも入力方法を改善しようという配列が存在します。一般的に多く使われているアルファベットの配列のことを、キーボードの上段の左から6文字を取って「Qwerty配列」と呼びます。Qwerty配列に代わる配列として有名なのが「Dvorak配列」です。

Dvorak配列の成り立ちは古く、1932年にアメリカで生まれました。考案者のオーガスト・ドヴォラック名前を取ってDvorak配列と呼ばれています。英文でのアルファベットの出現率やキーの打ちやすさを考慮して各文字の配置が決められています。母音がすべて左手のホーム段に配置されているのが特徴。Qwerty配列に比べて交互打鍵率が高く、指の移動距離が短くなります。タイピング速度や快適性の向上、\ruby{腱鞘炎}{けんしょうえん}などの防止に効果があると言われています。
Dvorak配列の成り立ちは古く、1932年にアメリカで生まれました。考案者のオーガスト・ドヴォラックから名前を取ってDvorak配列と呼ばれています。英文でのアルファベットの出現率やキーの打ちやすさを考慮して各文字の配置が決められています。母音がすべて左手のホーム段に配置されているのが特徴。Qwerty配列に比べて交互打鍵率が高く、指の移動距離が短くなります。タイピング速度や快適性の向上、\ruby{腱鞘炎}{けんしょうえん}などの防止に効果があると言われています。

実は、Dvorak配列はローマ字入力をする場合も優れた配列です。というのは、Dvorak配列はローマ字入力の母音である\key{A}\key{I}\key{U}\key{E}\key{O}が左手のホーム段に並べて配置されているからです。QWERTY配列のローマ字入力の欠点は、最もよく使うキーである母音キーが、最も打ちやすい場所には配置されていないことでした。\key{A}が小指のホームポジションにあるだけで、ほかの4キーはすべてホーム段から外れた場所にあります。Dvorak配列なら母音がすべてホーム段にあります。したがって母音を入力するときにホームポジションから指が離れにくく、効率的に入力することができます。

Expand Down Expand Up @@ -522,7 +522,7 @@ \subsection{AZIK}

けいならべは、覚えやすさに重点をおいた行段系配列です。行段系というのは、1つの文字を基本的に子音と母音の2打鍵で入力する配列のことです。かなの五十音表を利用して、子音と母音を組み合わせることで1つのかなを入力します。ローマ字入力も行段系配列の一種です。

そして、けいならべでは子音と母音が左右にはっきり分かれて配置されています(図\ref{keinarabe})。左手が子音キー担当、右手に母音キー担当です
そして、けいならべでは子音と母音が左右にはっきり分かれて配置されています(図\ref{keinarabe})。左手が子音キー担当、右手が母音キー担当です

さらに、そのキーの並び方もかなり規則的です。子音を入力するキーは左手人差し指のホームポジションである\key{F}を起点として、そこから左にか行、さ行、た行、な行の順番。上段に移って\key{R}からは行、ま行、ら行、わ行の順番となっています。これはおなじみの五十音順と同じ順番です(なお、けいならべではや行の子音キーはありません。あとで詳しく説明します)。さらに濁音を入力するキーも、が行、ざ行、だ行のキーは、その清音のキーのすぐ下に配置されています。母音も、やや変則的ではありますが、右手のホームポジションである\key{J}を起点としてあいうえお順で並べられています。

Expand All @@ -541,7 +541,7 @@ \subsection{AZIK}

しかし、むしろこの連母音こそが、けいならべの入力しやすさの真骨頂といえる部分です。その秘密は、連母音の偏りと、連母音をアルペジオで入力できることです。

連母音の出現率は、かなの出現率と同じようにに大きな偏りがあります。母音は5種類ですから、連母音は全部で25種類あります。そのうち出現率の高いai、ei、ouの3種類の連母音で全体の約55.3\%を占めます。その3種類の連母音を口に出してみると、多く使う音であることを感じられると思います。特に漢字の音読みで多く使われます。
連母音の出現率は、かなの出現率と同じように大きな偏りがあります。母音は5種類ですから、連母音は全部で25種類あります。そのうち出現率の高いai、ei、ouの3種類の連母音で全体の約55.3\%を占めます。その3種類の連母音を口に出してみると、多く使う音であることを感じられると思います。特に漢字の音読みで多く使われます。

けいならべでは、この出現率の高い3つの連母音をアルペジオで入力できるようにしてあります。アルペジオというのは、「片方の手で続けてキーを押す場合に、非常に押しやすい連接」のことです。例えば\key{K}→\key{J}と打鍵する場合がアルペジオです。実際にキーを押してみると、この2キーを打鍵する場合は速く楽に打鍵できることが感じられると思います。けいならべでは、連母音aiは\key{J}→\key{K}、eiは\key{L}→\key{K}、ouは\key{O}→\key{I}と、すべてアルペジオで入力できるように配置してあります。けいならべの母音は、子音に比べるとやや変則的な順番で並んでいますが、それは連母音をアルペジオで打てるようにするためです。

Expand All @@ -551,7 +551,7 @@ \subsection{AZIK}

もうひとつ、けいならべの大きな特徴があります。それは、「やゆよ」を母音化して扱っていることです。

通常のローマ字入力では、母音は「aiueo」の5種類です。「a」は単打で「あ」を入力します。子音「k」と母音「a」の組み合わせで「か」を入力します。「やゆよ」を母音化するというのは、「ya、yu、yo」を「a、i、u、e、o」と同じ扱いにするということです。したがって、「ya、yu、yo」を単打で入力できるキーが存在します。けいならべ配列図(図5-6)の\key{N}\key{H}\key{U}のキー、下から順番に「ya」「yu」「yo」と並んでいる部分がそれです。これらのキーを単打で押すと、「やゆよ」が入力されます。一方、子音キーを押した後に「ya、yu、yo」を押すと、拗音を入力します。例えば、「k」のキーを押してから「ya」のキーを押すと「きゃ」を入力します。拗音というのは、子音とや行の組み合わせですべて表現することができるのです。
通常のローマ字入力では、母音は「aiueo」の5種類です。「a」は単打で「あ」を入力します。子音「k」と母音「a」の組み合わせで「か」を入力します。「やゆよ」を母音化するというのは、「ya、yu、yo」を「a、i、u、e、o」と同じ扱いにするということです。したがって、「ya、yu、yo」を単打で入力できるキーが存在します。けいならべ配列図(\ref{keinarabe})の\key{N}\key{H}\key{U}のキー、下から順番に「ya」「yu」「yo」と並んでいる部分がそれです。これらのキーを単打で押すと、「やゆよ」が入力されます。一方、子音キーを押した後に「ya、yu、yo」を押すと、拗音を入力します。例えば、「k」のキーを押してから「ya」のキーを押すと「きゃ」を入力します。拗音というのは、子音とや行の組み合わせですべて表現することができるのです。

\ref{keinarabe_50on}はやゆよを母音扱いした五十音表です。やゆよを母音扱いするというと奇異に思えるかもしれませんが、表を隙間なく埋めた上で拗音も規則的に取り込めるので、むしろ通常の五十音表より分かりやすくまとまっていると思います。

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