開発環境構築の方法も記述しています.
Visual Studio Code (VS Code) で日本語論文をLaTeX で書くときのテンプレート.
pLaTeX でのビルドを行う.
Windows ユーザーが極力 GUI で環境構築をしたいという要望にお応えするために説明スライドを作成しました.
LaTeX 自体の説明や書き方については,sample.tex や岡島先生の制御工学ブログ などが参考になると思います.
ディレクトリ | 含まれるファイルの種類 |
---|---|
.devcontainer | Dev Container (Docker) の設定ファイル |
.vscode | VS Code 用の設定ファイル |
fig | 論文に使用する画像ファイル |
out | LaTeX による生成ファイル(PDF もここ) |
scripts | VS Code Tasks から呼ばれる便利スクリプト |
ショートカットキー | 機能 |
---|---|
Ctrl + Alt + B |
ビルド |
Ctrl + Alt + V |
PDF を表示 |
Ctrl + Alt + C |
中間ファイルの削除 |
Ctrl + Alt + M |
数式プレビュの表示 |
Ctrl + Alt + J |
PDF の該当の場所にジャンプ |
PDF を Ctrl + クリック |
.tex の該当の行にジャンプ |
.tex ファイルの保存時にも自動ビルドが実行される設定としている.
前提としてVS Code をインストールしてください.
Git は必須ではありませんが,インストールすることを推奨します.
LaTeX の環境はTeXLive を使用しますが,以下の3つの方法から選択できます.
OS によってインストール方法が異なるのでTeXLive のページを参照.
Windows の場合にはコンパイル速度が遅いので他の方法をオススメします.
OS によってインストール方法が異なるのでDocker のページを参照.
現在のPC にLaTeX の環境構築をしたくない場合にオススメ.
Windows の場合にはネイティブよりもコンパイル速度が速い.
Windows 限定.
Windows でもっともコンパイル速度を出すならばこれ.
環境構築は以下のコマンド3 つで完了する.
まずWSL をインストールするために,PowerShell を管理者権限で実行して以下のコマンドを入力.
wsl --install
その後PC を一度再起動する. PowerShell を開き,以下のコマンドを入力することでWSL にUbuntu をインストール.
wsl --install -d Ubuntu
ユーザ名とパスワードを設定してログインされた後,以下のコマンドでTeXLive をインストールする.ついでに Git と ImageMagick もインストールしておく.
sudo apt update && sudo apt install texlive-full git imagemagick -y
- Git を使用していない場合には,GitHub ページの
<>Code▼
からDownload ZIP
して展開し,VS Code でFile
→Open Folder
でこのフォルダを開く.
Git が使用できる場合には以下のコマンドで,このリポジトリをクローンして開ける.
git clone https://github.com/kimushun1101/platex-vscode-template.git
code platex-vscode-template
- Docker の場合は,Docker を起動した後にウィンドウ左下の
><
をクリックしてReopen in container
を選択.
Docker 以外の場合には,推奨拡張機能をインストール.
Ctrl
+Shift
+X
でExtensions を開きSearch Extensions in Marketplace
のテキストボックスに@recommended
と入力すると表示される,以下の拡張機能をinstall をクリック. sample.tex
を開いた状態で,Ctrl
+Alt
+B
でビルド.- ビルドの完了後に
Ctrl
+Alt
+V
で生成したPDF を確認. - 論文を提出する学会などが配布しているTeX ファイルやそのスタイルファイルをこのディレクトリにコピーアンドペーストして,手順3,4 と同様の方法でビルド,確認.
現在のディレクトリをエクスプローラーで表示したい場合には,
Ctrl
+Shift
+X
で Explorer を開き,右クリックを Reveal in File Explorer(日本語だと「エクスプローラーで表示する」)をクリック.
動作確認したディレクトリでそのまま作業を進めても良いが,以下の手順で,ご自身のGitHub にリポジトリを作成してバージョン管理することをオススメします.
- GitHub アカウントの作成.
Use this template▼
からCreate a new repository
を行う.Private リポジトリとすることを推奨.Code<>▼
から作成したリポジトリのパスをコピーして,端末でgit clone 作成したリポジトリのパス
を実行.- 動作確認と同様にビルド.
- 作業の区切りの良いところでgit add, commit, push する.
VS Code 上でGUI を用いた操作も可能.
BiBTeX を用いると参考文献をフォーマットを揃えて自動で出力してくれるようになります.
ただしBiBTeX のスタイルファイル(.bst)を配布してくれている学会は少ない......
reference.bib
はZotero やMendeley などの文書管理ツールのエクスポート機能などで作成するか,Google Scholar より調べて引用
→BibTeX
などからコピーアンドペーストして加筆していくとよい.- bst ファイルが提供されていない場合には,
out/sample.bbl
をsample.tex
にコピーアンドペーストして,提出先が要求するフォーマットに手動で修正してください.
(Ubuntu,WSL でテスト済み,Mac は未テスト,Windows ネイティブとDocker は未対応)
Ctrl
+ Shift
+ P
で開くコマンドパレットに run task
と入力して実行したい処理を選択できる.
convert a image file into the eps format
fig ディレクトリにあるファイルを 1 つ選択する.そのファイルを eps に変換して fig ディレクトリに格納します.
(古いスタイルファイルなどでなければ,PNG や JPEG,PDF も読み込めますので不要です.) ImageMagick のインストールが必要です.delete Zone.Identifier
fig ディレクトリにある Zone.Identifier ファイルを削除します.
Zone.Identifier ファイルは Windows から画像ファイルを WSL のフォルダに移したときに生成される.convert from SJIS into UTF-8
学会が配布するテンプレートが Shift JIS で提供されていた場合に,UTF-8 に変換します.
念のため,変換前のファイルのコピーのバックアップもとります. 提出時に Shift JIS に戻したい場合には,VS Code の機能を使って戻すとよいでしょう.
Git tag をつけて push すると,その commit でのコンパイル結果である PDF を GitHub Release に自動でアップロードします.
- GitHub のページで,リポジトリの権限を
Setting
→Actions
→General
→Workflow permissions
をRead and write permissions
としてください. - VS Code で
.github/workflows/compile_and_release.yml
のTEX_FILE_NAME
をコンパイルしたいファイル名(拡張子なし)で設定する. - VS Code で
Ctrl
+J
で出るTERMINAL
に以下のコマンドを実行する.
タグ名
やメッセージ
は適宜変更してください.git tag -a タグ名 -m 'メッセージ' git push origin タグ名
- GitHub のページで,GitHub Actions が完了した後,
Releases
から PDF が確認できる.
- LaTeX Workshop を使いこなす
- Dockerイメージはこちらを使用させていただきました.https://github.com/tbistr/texlive-full-devcontainer
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