知っているようで知らなかった、ファイル名とフォルダ管理の仕方
目次
- 最近のファイル名事情
- ファイルについて
- ファイルの役割
- 拡張子の役割
- ファイル名につけられない文字
- ファイル名として好ましくない文字
- スネークとキャメル
- 具体的なファイル名のつけ方
- フォルダについて
- フォルダの役割
- フォルダとディレクトリについて
- ディレクトリファイル名につけられない文字
- ディレクトリファイル名にとして好ましくない文字
- 具体的なディレクトリ名のつけ方
- 増え続けるファイルをどう管理するか
- UNIX 的なファイル管理の仕方
- 外部のwebサービスの活用を考える
- 不要なものは捨てる勇気を
スマホはどうなっているんだろうね
一昔前の話
「最近は仕事上の連絡や申請などもパソコンという世の中になった、
パソコンの操作くらいは出来ないとこれからはまともに仕事ができなくなるぞ。」
当時の大人たちは言っていましたが、そういう風に言っていた大人たちが
結局まともにパソコンの操作ができないまま、時代はスマートフォンになって
しまいました。
私はまじまじと自分のiPhoneでどうやってファイルとフォルダを作ればいいのだろうと
にらめっこしましたが、ファイルの作り方がわかりませんでした。
もはやスマホの操作性はファイル名やらフォルダ管理やら、そういう概念ではなさそうです。
これからは仕事上の連絡や申請はスマホで、
パソコンはというと、アプリケーション開発や一部の込み入った動画編集など
クリエティブな開発を行う人が利用するものと住み分けられる様です。
将来どうなっていることやらは誰にもわかりませんが、
どうやら、ファイル名やフォルダ管理の手法というのは
プログラミングなどのシステム開発を行う人たちの領域にまた戻ってしまったようです。
とはいうものの、その手法や根本的な考え方を知っておくことは
何かの役に立つのではないかと思ってはいるのです...
考えてみたこともなかった、ファイルの作り方?
せっかくなので、パソコンさわりながら話を進めましょう
座学が長くなるとしんどくなりますね。
今の時代でパソコンといえば Windows, Mac, Linux, いづれかのことを指します
今日はそれぞれの OS の特色についてのお話はしませんが、共通の概念である
ファイルの話をします。
今説明しているパソコンは Mac ですので、今日は Mac の場合の操作の仕方で
説明しますが、基本的な考え方は同じなので、操作性の違いについては
近くの詳しい人に聞いて見るなり google 検索するなりですすめてゆきましょう
手順
Finder > 上部のメニューから > Finder > 環境設定
Finder > 環境設定 > 一般
新規 Finder ウインドウで次を表示 > HOME
(HOME は自身のユーザー名)
Finder > 環境設定 > サイドバー
サイドバーに表示する項目 > よく使う項目
アプリケーション > チェック
HOME > チェック (他はチェックを外す)
Finder > 環境設定 > 詳細
すべてのファイル名拡張子を表示 > チェック
さあ、試しに、ファイルだけを作ってみましょう!
えっ!、ファイルだけってどうやって作るの?
意識していなかった拡張子の存在
先ほどのファイルが作れなかった疑問を残しつつ、次は拡張子をみてゆきます。
最近のパソコンは標準の設定では拡張子は隠す設定になっていることが多いです。
先ほど、あえて拡張子を表示にしました。
拡張子つけるのと、つけないのと実験をしてみます。
最初に画像ファイル、次にシンプルテキストファイルで実験します。
画像データはここから https://www.pakutaso.com/ - ぱくたそ
テキストデーターはここから http://www.aozora.gr.jp/index.html - 青空文庫
それぞれから適当にデータをダウロードして、実験してみます
情報を見る > このアプリケーションでひらく
ダブルクリックで開く
拡張子を消す
情報を見る > このアプリケーションでひらく
ダブルクリックで開く
おかしな開き方をします、次に、それぞれ逆に拡張子をつけるとどうなるか?
それぞれ、違うアプリケーションで開こうとします。
しかし、指定して開けば開けるはずです、
紛らわしいので、一旦正常な拡張子に戻しましょう。
おそらくここにきている皆さんは既に拡張子の役割はご存知でしょうが
先ほどの、疑問、ファイルだけってどうやって作るの?
いまの挙動からわかるように、ファイルとは記憶装置の中の
1つの記憶単位の中に情報が書き込まれている状態で、
ファイル名とはその記憶装置の中のどの部分に記録されているか識別する為のものです。
そして拡張子はファイルの情報の中身をわかりやすくする為のものですね。
したがって、ファイルだけ作るなんてことは出来なくていいのです。
(とはいえ、とりあえず空のファイルを作りたいという時がありますので、最後に紹介します。)
出来ないことは気にしなくていい
先ほど、ファイルだけ作るやり方というのは皆さんやろうと思ったことはないと思います。
それは、そんなことをする必要がないので、やろうとは思わなかったわけです。
では、表題のファイル名につけられない文字はなにかというと
Mac のような UNIX 系の OS は / (スラッシュ)はディレクトリを表現しているので
つけられないことになっています。
では、試しにつけてみましょう。
えっ?つけられるではないですか!
最近のパソコンはユーザーフレンドリーになりすぎている?
先ほどのファイル名につけられない文字ですが結論は気にしなくていいということです。
基本的にキーボードから打ち込める文字はつけられると思っていいし、
つけられない文字は結局つけることができないので、気にしたところで同じことです。
それより問題は好ましくない文字が存在するということです。
/ (スラッシュ)は以前はつけることができませんでした、
実際 / は : (コロン)に変換されてファイル名となっています。
したがって、今度は : がつけることが出来ません。
はっきり言えることは、 / も : もファイル名としては好ましくない文字でしょう。
片一方でつけられて、こちらではつけられない?
どうすればいいのでしょうね?
プログラマーなら一度は聞いたことがあるキャメルケース
キャメルケースについてはウィキペディアのキャメルケースの記事がわかりやすいので、
そちらをみてみましょう。
結論から行くとファイル名はスネークケースの命名の方が無難だと思います。
僕たちは日本人なのに英語の名前をつけるのかい?
そういえば昔、ファイル名は中身がわかるような名前をつけた方がいいと
何処かの誰かからアドバイスを受けたことを思い出しました。
その結果どのようなファイル名になるかというと、このようになります。
階段を登る猫.jpg
- 中身は猫が写っている画像データ
我輩は猫である.txt
- 中身は小説、我輩は猫であるのテキストデータ
確かにこれは分かりやすいです、しかしこれは先ほどの、好ましくない文字の問題を
抱えているのです。
/ も : もないのに?
そうです、日本語という文字がファイル名としては好ましくないのです。
実のところ、日本語が正しく表現できないパソコンも存在しないわけではないのです。
日本語が表現できるパソコンであっても、何らかの事情で、
文字コードが正しく変換されない問題で文字化けが発生する可能性もあるのです。
文字コードについてはここでは詳しくふれませんが、ファイルの特性としては
コンピューターからコンピューターへ自分の意思とは関係なく、
渡り歩いてゆく運命にあるのです。
いくら一生懸命、中身がわかるような名前を考えたところで、読まれなければ、
誤解をされて、最悪は、このファイルはウイルスなのか?と疑いをかけられるかもですね。
従って必然的に、ファイル名は半角英数小文字 (ASCII)
もしくは . (ピリオド) _ (アンダースコアー) を使った命名が無難でしょう。
アルファベットは小文字で統一がいいでしょう、 Mac の場合、大文字小文字
別々に入力できますが、検索する場合両方該当します、
パソコンによっては大文字小文字区別しないものも存在します。
記号を使う場合も注意が必要です。
先ほどの / : は説明しました - (ハイフン)も注意が必要です。
- (ハイフン) はコマンドラインの入力で
$ ls -al
のようにオプションの指定で使われますので、紛らわしい場合があります。
$ は変数の頭につけることがあったり、 @ はメールの区切りだったり、
記号というのは何かと意味を持っていることが多いので、使わない方が無難です。
したがって、このような付け方になるでしょうね。
cat_steps.jpg
- 中身は猫が写っている画像データ
wagahaiha_neko.txt
- 中身は小説、我輩は猫であるのテキストデータ
フォルダはあっさり作れます
Mac なら右クリックもしくは control キーを押しながらクリック
新規フォルダ作成、これであっさり作れます。
ファイルだけ作るのとはえらい違いですが、なぜなのでしょうか。
要するに入れ物ってことなのでしょうか?
たとえばの使い方ですが
hackerz (フォルダ)
event (フォルダ)
20170122.txt (1月22日イベントのメモが書いてあるファイル)
20170226.txt (2月26日イベントのメモが書いてあるファイル)
... (ほか沢山のテキストファイル)
こういう使い方があったとして、hackerz の箱の中に、event の箱があって、
その event の箱の中にテキストファイルがある。
folder を直訳すると「折り畳み」のような意味になりますが、
箱、入れ物、そういった概念を表しているようです。
実は、Windows も 3.1より昔ではフォルダではなくディレクトリという呼び方を
していたようです。
ディレクトリファイルという呼び方です。
名前空間というおかしな日本語がある
UNIX 的にはディレクトリファイルとは名前問題、名前空間を整理するために存在します。
基本的にコンピューターの中に同じ名前は存在できないことになっています。
先ほどの例を UNIX 的なパスで表現すると
hackerz/event/20170122.txt
hackerz/event/20170226.txt
のような表記になり、このようにツリー状の階層にすると末端のファイル名が
同じ名前でも、ディレクトリファイルに名前をつけて挟み込むことにより
いくらでも同じファイル名のファイルが同一のコンピューターの中で
共存することが可能になります。
したがって、データありきでファイルが作られるのに対して
フォルダがそれだけで簡単に作れるというのはごく当たり前のことですね、
名前を整理するために存在するのですから。
ファイルと同じことです
これから先はフォルダではなくディレクトリという呼び方にしておきます。
ディレクトリもファイル同様、
Mac のような UNIX 系の OS は / (スラッシュ)はディレクトリを表現しているので
つけられないことになっています。
では、試しにつけてみましょう。
はっ?、またしても、つけられるではないですか!
ファイル名と同じ命名規則の方がわかりやすいでしょう
先ほどのファイル名の時の話と同じく、好ましくない文字は
紛らわしいのでつけない方がいいでしょう、
好ましくない文字というのはファイル名と同様です
ディレクトリの数に整理整頓のセンスが問われる
先ほどの説明のようにディレクトリは名前問題を解決するために存在しますから
日頃お使いのパソコンにファイルがあっちこっちに存在していて、
使っているのかどうかわからないディレクトリが点在している状況の人は
ディレクトリ名の付け方について、考えたことがないのかもしれません。
ディレクトリ名はその配下のファイルをひとくくりにしていると思っていて
おおむね間違いではないので、何が紐づいているのか連想できるディレクリ名がいいでしょう。
...
続きは次回の HackerzLab で ...
ファイル関連
# schedule.txt という名前の空のファイルを作成する
$ touch schedule.txt
関連項目
Yukio Kusakabe yosizuka1@gmail.com
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